Clap
彼女のとなりの席、右は俺の定位置で
毎日何かの科目の教科書を必ず忘れてくる幼なじみの彼女にやれやれと思いながら今日も机をくっつける。
「んー古典難しい…これがここにあると上を先に読むんだよね」
「そうだよ…あ、つぎらへん当てられるぞー」
「へえ!?」
あたふたする彼女に仕方なくトントン、とノートをペンで叩いて答えを教えた。
「ゆーとがいないとあたし生きていけないのかもしれない」
「何突然」
「結婚しよー!ゆーと奥さんになってー!」
「は!?ちょ、くっつくなってそれに普通は逆だろーがー!」
びゃーびゃー騒ぐ彼女を押さえつけつつ自分の中に広がる憤りについ口走ってしまった。
「そういうのは本気で好きな人にいえよ!」
「え、あたしゆーとのこと」
「それは幼なじみとしてだろ!!」
しまった、と彼女を見るとぽかんとあっけにとられていた。
俺の顔は真っ赤になっていないだろうか。
いや、それよりもこれで自覚でもされたらこの先気まずいぞ。
そんな俺の心配はすぐに打ち消されることになるのだが。
「そんなことない!ゆーとは家族も同然だもん!」
「……」
真剣だよ!と語る彼女に頭痛がした。
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プチシリーズ幼なじみ編栄口続編やっとです
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