07/11(09:56)


君は気づいてるのかな、僕の視線の先の正体に。

登校中、友達に手を振る君をみた。
授業中、教科書に落書きをする君をみた。
昼休み、焼きそばパンを大きな口で頬張る君をみた。

下校中、

僕に微笑む君がいた。

「炎真ー!」
「あ…」
「今帰り?一緒に帰ろー!」
「うん…」

そんな無邪気に笑わないで、僕といたら、君は

「そんな顔、しない」
「!」

考えが見破られたのかと思った。 頬を掴む手に体温が上昇する。 真剣な瞳は、僕のちっぽけな不安なんて跳ね退けてしまうようで。

「炎真の事、好きだから一緒にいるの」

ふわりと柔らかな笑顔を素直に見れなくて、ふいと目を逸らした。

恥ずかしくて、顔が上げられなくて、 初めて言われた"好き"が体中を熱くして、頭がくらくらする。

隣でにこにこ笑う君を見たら、これ以上は駄目だって、分かっているのにそれでも


求めることが愚かでも

(僕は君と並んで歩いていきたい)

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -