▼07/11(09:56)
君は気づいてるのかな、僕の視線の先の正体に。
登校中、友達に手を振る君をみた。
授業中、教科書に落書きをする君をみた。
昼休み、焼きそばパンを大きな口で頬張る君をみた。
下校中、
僕に微笑む君がいた。
「炎真ー!」
「あ…」
「今帰り?一緒に帰ろー!」
「うん…」
そんな無邪気に笑わないで、僕といたら、君は
「そんな顔、しない」
「!」
考えが見破られたのかと思った。 頬を掴む手に体温が上昇する。 真剣な瞳は、僕のちっぽけな不安なんて跳ね退けてしまうようで。
「炎真の事、好きだから一緒にいるの」
ふわりと柔らかな笑顔を素直に見れなくて、ふいと目を逸らした。
恥ずかしくて、顔が上げられなくて、 初めて言われた"好き"が体中を熱くして、頭がくらくらする。
隣でにこにこ笑う君を見たら、これ以上は駄目だって、分かっているのにそれでも
求めることが愚かでも
(僕は君と並んで歩いていきたい)