桜舞い散る中、西浦高校の入学式で校長の長い話を聞きながらふああと間抜けな欠伸が漏れる。
入学式はうきうきするけどこうゆうのがめんどくさいんだよなあ、何て思いながら時計を探す。
みんな真面目だなー…。
泳ぐ視線は背筋を伸ばし校長の話を懸命に聞いている生徒達を捕らえる。
そんな中、俺の視線は計の下で止まった。
あ。
「……」
パイプイスによりかかり無防備に眠る女の子。 あの子も校長の話がつまんなくて寝ちゃったのかなあ。
春の陽射しが彼女の髪の毛に柔らかく降り注ぎキラキラと照らす。
綺麗だなあなんて思っていたらうっすらと目を開けて視線に気づいた彼女と目が合う。
ドキ。
心臓が大きく跳ねたのはほんの一瞬で、姿勢を正した彼女は前を向いてしまった。
寂しい、なんて思ってしまったのはきっと彼女が俺に向かって微笑んだせい。
背中ごしに眠そうに目をこする彼女を見てから、口元が緩んだのも知らずに俺もゆっくりと校長の方へ向き直った。
君を見つけた日 (それからすぐに野球部で顔を合わせる事になったのは数時間後の話)
11409 引っ越して初の水谷ゆめです^^ ちまちま増やしてこー`´
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