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もちろん僕にはマリモとは違って守ってくれる役員や後ろ盾なんかもない。つまり全ての制裁は僕に降りかかる訳だ。そのせいでこの1ヶ月で僕の身体にいったいいくつ傷やアザができたことか。
「みんなおはようって言ってんだから挨拶くらいしろよ!!」
そう言ってみんなが嫌がっていることに気付かず挨拶を催促している。
「おいっ! 雫! 雫ってば! 俺が話しかけてんだからちゃんと反応しろよっ!!」
そんなことを考えていたら間近にマリモが迫っていた。しかも意味わからないこと言ってるし......。なんだよ、俺が話しかけてんだから反応しろよっておまえは何様だよ。しかも『たく、雫はどんくさいなぁ。でも大丈夫!俺は気にしないから』とかぶつぶつ呟いてるしもうほんと頭大丈夫かなぁ?
頭大丈夫ですか? 精神科行きますか? って言ってやりたいけどそんなこと言ったらお得意のうるうるおめめで生徒会役員にチクるんだろうな。僕の家周りと比べると小さいし、これ以上生徒会役員に嫌われたらそろそろ家がやばいよね。僕のせいで潰されちゃうなんてことあっちゃいけないし......。
それに僕、チキンだからそんなこと言えないし。
「あ、うん。ごめんね。考え事してた」
結局は何時も通りか。
「謝ったから許してやる!! でも、今度からはちゃんとすぐに反応するんだぞ!!」
だからおまえは何様だよ。
「おい、何時まで俺様を待たせる気だ。そんな平凡ほっといてはやくいくぞ」
げっ。うわぁ、ないわぁ。生徒会役員のラスボス会長様のおでましじゃん。最悪。
「あ、大河内君。行ってきなよ」
ほら、せっかくお迎えがきたんだからはやく行けよ。勝手にハーレムでも作っとけ。僕を巻き込むな。引き立て役なんてなくてもおまえはもう充分目立ってる(悪い方で)から大丈夫だって。
「嫌だ! 俺は雫も一緒じゃないとやだ!」
いや、いやいや何言ってんの。駄々っ子かよ。てか、もうそういう俺は優しいアピールはもういいから。
「あ"ぁ"? んな平凡なんていいだろ」
そうだ。もっと言ってやれ会長。そしていいからそいつをはやく連れてってくれ。
「嫌だ! 雫は俺がいないと駄目なんだからな! 雫は友達がいないんだから俺がそばにいてやらないと!!」
いや、だからそういうのいいって。優しいアピールも、僕みたいな引き立て役がいなくても、おまえは充分巣立って行けるから。大丈夫だから。
「僕は大丈夫だよ。だから行ってきなよ。会長様も待ってるし」
いいからつべこべ言わずにさっさと行け。
「そうだ。大地はやくこい」
そうだよ。きみが早く行かないともっと厄介なのがいっぱい来ちゃうから。
「大地ー! 遅くなった。今戻ってきた」
「大地。さっさと帰ろうぜ」
「大地。遅いから迎えにきましたよ」
「だいち〜。もう、来るの遅いからきちゃったぁ〜」
「大地......遅い......はやく...」
「大地〜」
「遅いよ〜」
「「はやくいこっ!!」」
ほら、噂をすればじゃん。
めんどくさいのが来た......。マリモ信者共が。
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