プロローグ
「おはよう!」
大きな声とともに教室に入ってくるのは僕が最も嫌うマリモヘアーのチビ。
かつてこんなに人のことを嫌いになったことがあるだろうかと思うほどだ。今まで僕は当たり障りのない人間関係を築いてきた。特定の誰かを作ることもなかったし誰かに依存するといったこともなかった。それでも僕は充分満足していたしこれといって不自由もしていなかった。けど、そんな僕の人生を大幅に狂わせた人物がいる。
それが彼、大きな声とともに入ってきたマリモヘアーの大河内 大地だ。彼は5月半ばというそれぞれが仲良くなり、友達ができにくい時期に転校してきた。
別に彼に友達ができなかろうとなにしようと僕には関係のない話だった。
ただ、僕に話しかけ、親友発言するまでは......。
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