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「で、でも!!」
「でももなにもありません。貴方の声は目障りです。静かにしてください」
副委員長にあそこまで言わせるなんてそうとうだね。確かにうるさいのは認めるけど。
「うん。ありがとう副委員長。それでは、会計以外の生徒会役員はリコールで決定。異議や反論は認めないよ。まぁ、あるとは思えないけどね」
そういって周りを見渡す緑。確かに一般の生徒は生徒会役員に裏切られたような目でずっと見ている。誰も彼等を守ろうとはしないだろうね。
「か、かわいそうじゃんか!!」
このマリモを除けば……ね。
「うるさいですよ、楠木柚木。貴方は随分と余裕なようですが貴方もそれ相応の責任があるんですよ。貴方は転入してから授業もでない、生徒を過剰防衛で怪我をさせる挙句の果てには学校の器物を損壊。よくもまあここまでできましたね。逆にどうすればここまでできるのかお聞きしたいくらいです。とまあ、貴方は十分にやりすぎました。なので楠木柚木、貴方の処分は退学です」
「なっ!!なんでだよっ!!授業はこいつらがでなくてもいいっていったし他の奴等が怪我したっていうのは俺のこと殴ろうとしたからだろ!?それに、器物だって俺の危険を伝えるために一番手っ取り早いからじゃんか!!」
いや、生徒会役員がいいっていったって授業くらいは受けるべきでしょ。それに、殴られそうになったから殴り返したって言うのも実際には親衛隊の子が警告しただけで殴ってないみたいだしそれどころか可愛い子見つけた瞬間になにもしてないのに生徒を殴ったっていう報告もきいたことがあるし。器物損壊も全然関係ないような物割ってるし、俺が見たときははしゃぎすぎて物割ってた時が多かった気がするなぁ。
「楠木柚木。貴方にはなにを言っても無駄なようです。なので今から出ていく準備をしてきなさい」
あ〜あ。副委員長ももうめんどくさくなっちゃったみたい。
「でも!!でも!!」
「いいから。警備員、連れていきなさい」
「やだやだ!!俺はなにもしてないんだ!!なのになんで!!」
出ていく時までうるさいね〜。
「それでは改めて、今日の臨時集会で決まったことをお伝えしたいと思います。生徒会役員はリコール。今から一週間は自宅謹慎。楠木柚木君は退学とします。以上、本日の臨時集会は終わりです」
そう緑がまとめた後も食堂内はどんよりとしていた。隣で緑が「これだから楽しく食事をする場所ではやりたくなかったんだよ」とかぼやいてる。
「それでは、理事長。私にはこれから後始末がありますのでここで」
「ああ、悪かったね。後始末も任せてしまって申し訳ない。今日は本当にありがとう」
「はい、大丈夫です。それでは」
「ふくいいんちょう〜。ありがとね〜」
何時もの口調で副委員長にお礼を言ったらいや〜な顔された。
「ええ。貴方は口調を普段通りになさい。これからはキャラ作りなどしなくていいのだから」
「いやぁ〜。なんか真面目な時じゃないとこうなっちゃって〜。なれってこわいよね〜」
「はぁ、もういいです。それでは」
「はぁ〜い」
副委員長とお別れの挨拶してると、緑がかまって欲しかったみたいで元々近いこの距離をもっとつめてきた。
「筑摩。俺よりもさきに副委員長に話しかけるなんて嫉妬するぞ」
「別にどっち先でもいいじゃん〜」
「いや、重要だ。今まで俺がどんだけ我慢してきたかわかってないな。今からそれを教えてやるからこい」
そういって周りを気にせずに引っ張っていく緑。これは、今日はちょっと激しくなること確定だな。覚悟しておかないとね。
やだとか言って余裕なふりしてるけどきっと俺の顔は赤いんだろうな。
結局俺はだいぶ緑に溺れてる。
ーENDー
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