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side 怪盗
今日は俺がこの学園に転校してきて1週間目。
一年の時から通ってる学園だったら遅刻してもいいと思ってるからこんなには急がない。けど、俺はまだ1週間。学園で目をつけられたらめんどくさい。だからこそこんな屋根伝いをかなりのスピードで走ってるんだ。
そんなどうでもいいことを考えながら移動してると、目的地である星風学園についていた。中に入り一目散に教室を目指す。
途中で担任が見えた気もするけどきっとそれは幻覚で、担任がこっちを向いてなんか言ってる気もするけどそれも幻聴だと思う。
やだなぁ、俺、幻覚とか幻聴が見える聞こえるようになっちゃったのか......。しかも担任限定で。病気かなぁ。今度保健室行こ。いや、むしろ今行くか?
「おい! お前、遅刻にすんぞ。急ぐか急ぐ振りぐらいしろ」
っと、んな馬鹿なこと考えてたら担任のお怒りの言葉が飛んできちまった。仕方ない、教室行くか。
担任からお怒りの言葉を頂いてから、少し早歩きをしながら進んで行くと何度も見飽きたどこの学校にでもあるような定番な引き扉が見えてきた。
ガラガラと無駄にでかい音をたてて開くそれを、中で騒いでいるであろうクラスメイト達に、いかにこっちに視線を集中させないようにできるか、細心の注意をはらってできるだけ丁寧にかつ、ゆっくりと開けていく。
「なぁなぁ、知ってるかお前。この間も怪盗......が...............だって」
「え? お前知らねぇの!! 嘘だろ」
「ん? なになに。......!? 嘘だろお前。最近の話題といえば絶対にでてくるあの怪盗......を知らねぇの!?」
「そうだぞお前。検索で何も打たなくてもすぐにヒットされるようなあの怪盗......様だぞ」
はぁ、結論から言おう。視線は集中されなかった。けど、なにこの騒がしさ。そしてなにこの話題。遅刻ギリギリの俺が言うのもなんだけど朝のHRギリギリだよ。しかもなに、耳をすませば何処からともなくひっきりなしにきこえてくる怪盗......怪盗...って。
……どんだけだよ。
「おっ流田! おはよう!」
ん、誰だ? ああ、クラスメイトか。確か名前は.........。うんまぁ、知らなくてもなんとかなんだろ。ただの挨拶だし。
「嗚呼、おはよう」
「おはようみんなー! そして、遅刻ギリギリの馬鹿。さっさと席につけ」
俺が名も知らぬクラスメイトに挨拶をした瞬間さっきの幻覚幻聴の根源である担任が入ってきた。
どうやら、ホームルームが始まるようだ。
それにしても、この教室にもだいぶ慣れてきたな……。転校初日は、男子だけの教室で本当に男子だけなんだーとかおもってたけど。
そう、今までの流れでわかると思うがこの星風学園は男子校である。
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