※現パロ ※お相手はおまかせ ※悲恋
暗い浴室で白濁を掻き出す。自身の膣に指を挿入し奥で折り曲げては抜く。その単純で機械的な作業はわたしの手に慣れている。いつからだろうか。彼が避妊具を着けなくなったのは。いつからだろうか。行為に愛を感じられなくなったのは。
中に出されるのが嫌なわけではない。ただ、毎度毎度、掻き出しては薬を飲んで、望まないものができるのを必死に防いでいる自分が、惨めなだけだ。
結婚なんてしていない。付き合っているのかも、今ではもうよくわからない。学生だった頃は、もっと純粋に愛し合っていたし、尊重し合っていた。それが今ではどうだ。お互い職に就いて、同棲して、そこまではよかった。仕事に追われ二人の時間は減り、しまいにはもう、会ってやることといえばセックスだけ。それでもわたしはいいと思っていた。性欲を向ける相手がわたしであること、それだけでもいいと、思っていた。だけど、だけど、彼は何故避妊をしなくなったのか。中に出すという行為に、何の意味を込めているのか。わたしにはどうしてもそれが、わからないのだ。
午前2時。浴室から出て、寝室へ向かう。ダブルベッドの隅で静かに眠る彼。今日も朝早いのだろう。そっとシーツを縫い、身を沈める。冷たい彼の背中に、そっと手を当てる。避妊して欲しいと言えず、どうしてとも聞けず、ただひたすらに掻き出すだけのこのわたしを、彼はどう思っているのだろうか。都合のいい女?面倒な女?どれも正解だろう。じゃあわたしは?彼のことをどう思っている?そんなの決まっている。ただ愛おしい。それだけだ。
「ねぇ、 」
返事は、ない。疲れているのだろう。深く眠りについた彼の背中に、問いかける。わたしを、愛していますか、と。返事は、ない。
白濁と共に吐き出される あなたのこころは、わからない |