10:Sleeping Sweet Devil 3 / 9 登くんがこてりと首を傾げる。 彼はベッドから足を延ばして靴を履いた。靴の踵が履きつぶされて可哀相だ。 「ていうか、登くん保健室の先生見たことあるの?」 「あるよー。ないの?……そっかあんまりいないもんね篠原先生」 名前も初めて聞いた気がする。 いや、入学式の時に自己紹介していたかもしれない。先生を覚えきれなくてあんまり覚えていない。 あくびをしながら登くんが近付いてくる。 私の横に並んでガラス棚を開けて物色し始めた。 あ、そこにあったのか。 さすが保健室常連。もう把握してるのか。 ≪≪prev しおりを挟む back |