10:Sleeping Sweet Devil 2 / 9 やっとの思いで保健室のドアを開く。 フルマラソン走ったんじゃないかってくらい遠く辛く感じた。 保健室には誰もいない。みんな授業の準備をしているのかもしれない。 いやでも、ベッドのカーテンが1つ閉まっているから、そこに誰か寝ているかもしれない。 何でいつも保健室の先生いないんだろう。職務怠慢か。 薬がどこにあるかもわからない。 薬品が置いてある棚を散らからないように探してみる。 怪我したときの手当ての道具ばかりだ。この棚じゃないのかな。 「……先生戻ってきたの?」 カーテンの開く音が聞こえる。 聞いたことのある声と共に見慣れた姿が見える。 登くんが眠たそうな表情で目を擦ってこちらをぼんやりと見た。 「……星尾さんだぁ」 「……登くん寝てたの?」 「うん。何してるの?」 「く、薬を……」 ≪≪prev しおりを挟む back |