09:喫茶店「クインズ」 2 / 8 「折角だし、少し奢ってもらおうかな」 「うん!じゃあ俺弥生連れてくるから玄関で集合ね!」 登はにっこり笑って教室を離れていく。 あ、赤羽先輩も一緒か。お礼っていうならそうだよね、運んだのは赤羽先輩だもんね。 気まずくならないよね、大丈夫だよね。 カバンに荷物を全て詰め込んで、教室から足を踏み出す。 言われた通り玄関で彼らを待っていると、しばらく時間が経過してから2人が現れた。 「腹減ったなぁ、何食うかな」 赤羽先輩の声は嬉しそうに躍っていた。 「星尾も遠慮なく食えよ、登の奢りだから」 「弥生は少し遠慮して?」 悪戯っ子のように赤羽先輩はうひひと笑い駅へと歩く。 登くんは困ったように笑った。 ≪≪prev しおりを挟む back |