09:喫茶店「クインズ」 1 / 8 「星尾さんっ!」 放課後。 クラスがざわめく。 「あいつ、フェアリーテイルの……」 あぁ、結構有名だもんなぁ。 学祭で私みたいに心を掴まれてしまった人も少なくないはず。 その、フェアリーテイルのメンバーがだ。 今まで一切関係のなかった私を訪ねにくるわけで。 女子の視線だけじゃなく好奇の目を向けられている気がした。 まぁすぐにみんなの興味は逸れるわけですけれども。 「どうしたの、登くん」 「今日暇だったら夜ご飯一緒にどう?ぶっ倒れた時付き添ってくれたお礼に奢るから!」 奢って貰うのは申し訳ないような。 いやでも、折角誘ってくれてるんだもんなぁ。 今日夜用事ないし。 奢ってくれると言っているのに断るのも面子がうんぬんとかあるのかな? ≪≪prev しおりを挟む back |