04:狼さんは赤ずきん 8 / 11


音を止めて赤羽先輩は私を見た。


「おら、全然違ぇだろ、音」

「はい!」

「そもそも弾き方や弦の数とか、根本的に違ぇんだよ。見りゃわかるだろ」



私は2人の持つそれらを見比べて頷いた。


な、と赤羽先輩が満足そうに首を傾ける。

わざわざこのために呼んでくれたのか。申し訳ない。



「ベースは低くて重い音がいい、ベースの存在がないと良い曲も軽い曲に聞こえちまうことだってあんだよ。そもそもベースはギターやドラム、ボーカルも支える存在で、」
「あ、星尾ちゃんいいよ弥生のこと無視して。語り入ったら長ぇから」


ぺらぺらと語り出す赤羽先輩は朝の不機嫌さとは打って変わって活き活きしている。

魚住先輩が呆れたような笑顔で私を見ていた。



「REGURUSのベースソロなんて最高だろ」

REGURUS?曲かな?


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