04:狼さんは赤ずきん 5 / 11 私は先輩のやや後ろを歩く。 は、話しかけてもいいものだろうか。 対して仲良くもないのに馴れ馴れしい? 赤羽先輩の背負う黒いケースを見てから、何か話題を作ろうと声を出した。 「あっ赤羽先輩ってギター弾けるんですよね!学祭のオープニングの時かっこよかったです!」 その言葉で、赤羽先輩が振り返った。 その顔は、とても、とーっても、不機嫌だ。 あれ、あれ、私駄目なこと言った? 「ギターじゃねぇ、ベースだ」 あっ、そうなんだ。 ベース……うん。 そこまで楽器に詳しくないから、違いがよくわからない。 「そうでしたか、すみません」 形は一緒だよね…… 何が違うんだろう。 「てめぇ今『ギターもベースも同じ』なぁんて思っただろ」 「へぁっ!?そんなこと思っ、てないですよ!?」 「わかりやすい奴だな」 ≪≪prev しおりを挟む back |