04:狼さんは赤ずきん 4 / 11 朝から最悪なことばっかだわ、と悪態をついていた。 威圧感ハンパないです。 「前、登の。最後までいてくれたんだってな。悪ぃな」 「あ、いえ」 友達のことですから、なんて小さくなる声で告げる。 くるり、と方向を変えて赤羽先輩は歩き出した。 「あっ、あの!良かったら飴どうぞ」 イライラを鎮めるには甘いもの。 そう思って飴の入った袋を差し出した。 ……あでも、甘いもの嫌いだったら逆効果じゃ!? 私の心配も杞憂だったようで、赤羽先輩は袋から飴をひとつ摘まんでとりだす。 赤い包み。 いちご。 いちごを選んだのか、適当に取ったのがいちごだったのか。 心なしか嬉しそうな顔をしている先輩に、思わず頬がゆるむ。 意外と可愛いじゃないか。 私を見た赤羽先輩が少しだけまた不快そうな顔をしたので私は顔に緊張を走らせて緩んだ顔を引き締めた。 ≪≪prev しおりを挟む back |