04:狼さんは赤ずきん 3 / 11 学校の最寄り駅に着いて、降りた赤羽先輩は苛立ちを隠せない様子でフードを被ってチンピラ顔負けに歩き出した。 話しかけない方が、いいかな…… 恐る恐るやや後ろを、気付いていなフリをしながら歩いて進む。 いや、あの目立つほどの赤色に気がつかない方がすごいから、無理はあるものであったけど。 改札口で、びーっとエラー音が鳴って改札はばたんと閉じて赤羽先輩の足に直撃した。 あ、あれ地味に痛いというか周りの視線がいたいというか。のやつ。 ICカードがかざしきれていなかったためのエラーか。 赤羽先輩は不満そうな顔で再度かざそうとしたのかやや後ろを向いた。 「……」 後ろの私と目があった赤羽先輩はICカードを叩きつけるようにかざしてから改札口を通った少し向こう側で足を止めてこちらを見ていた。 私も慌てて改札を通ってそちらへ向かう。 「お、おはようございます」 「おう、何でそんなビクビクしてんの」 あなたが苛ついているからです、なんて言えるわけないじゃないですか。 ≪≪prev しおりを挟む back |