03:病弱スノーホワイト 5 / 10 「ごめんね、私そろそろ帰らなきゃ」 真麻は申しわけなさそうにそういって、赤羽先輩に頭を下げてから保健室を立ち去る。 私は、まぁ、暇だからここに残ろうかな。 「私、見てますね」 「あぁ、あとそこの馬鹿起きたら『クインズ』って伝えとけ」 「……?はい」 鞄を背負って赤羽先輩は保健室を出て行った。 静かな部屋に、2人だけ。 かちり、かちりと秒針の音が大きく響く。 それをしばらく聞いて。 彼を見ながら暇だからと課題に手をつけた。 どれくらいの時間が経ったかはわからない。 「……ん、」 小さな呻き声が聞こえてきて、私はそちらに視線をやった。 登くんが、虚ろな目で天井を見上げている。 ≪≪prev しおりを挟む back |