24:ちぐはぐチーム 6 / 6

 やんわりさせる作業を魚住先輩がするのか。
 確かに、聞こえてくる音は少し鋭い感じがする。

 のんびり会話をしている最中に、魚住先輩が眉を潜めた。


「……あー、弥生! なんか今んとこの音、い、いずい」
「はぁ? 何ぃ?」
「違和感あるってか、何か気持ち悪い」

 何か気持ち悪い。魚住先輩も雑だった。


「何か気持ち悪いだって」


 登くんが反応して笑う。
 弥生先輩は登くんの方へ睨みをきかせた。


「登ぅ! 人のこと笑ってっけどおめーも間違ったからな笑う前のコード!」
「初見だから多少見逃してくんない!? てか、香月のこのドラムの速さはいいわけ!?」
「てめーは何を叩いてんだ香月ボケ!! 俺はそんなコード作った覚えねぇぞ!!」
「喧嘩始まりそうだったから戦闘シーンっぽく!! こーめーちゃん終わった? 合わせる?」
「いやそんな早く終わんないから」


 滅茶苦茶、だなぁ。
 私は思わず苦笑する。

 今はバラバラでちぐはぐだけれど、きっと少し経てば、綺麗な1つの音になる。





<next story*ぜーんぶ、おれのもの>

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