24:ちぐはぐチーム 5 / 6

 ふにゃり、笑顔が向けられる。
 作り笑顔は不器用だ。その分、たぶんだけれど本物の表情が見えやすくなった。


「おい美幸ぃ、違和感ある音あったら言ってくれや、調整すっから」
「はーい」


 全員が各々に練習を始める。
 肯定返事をしたものの、バラバラな音じゃ何がなんだか私に分からないかもしれない。

 魚住先輩が近付いてきて、私の隣に座る。紙とペンを持っていた。


「歌詞直し一緒にやらない?」
「歌詞直し?」
「これさ、弥生が書いてんだけど……」

 見せられた紙には文字の羅列が並んでいる。
 フレーズの所々に複数の候補が書いてある所や、いまいち思いつかなかったのかクエスチョンマークが書かれている。
 なんというか、文字も描き殴りだし……雑、だ。


「今回の歌詞はまぁ、ちょっと怒り任せなところあるから、要修正って感じだよねー」
「そうですね……」


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