24:ちぐはぐチーム 3 / 6 そう言った登くんに手を引かれる。 階段をゆっくりと降りて、自動販売機にお金を入れた。 静かだなぁ、放課後。 言われた通りの飲み物を買って、視聴覚室へと戻ろうとする。 「ねぇ」 階段に足をかけた瞬間、登くんに声をかけられて足を止めた。 どうしたんだろう。 「戻らないの?」 「ごめんね」 何への謝罪かなんて、すぐに分かった。御小原くんに関してだ。 どうして。登くんは悪くないのに。 それを告げる前に、登くんが先に口を開いた。 「俺は悪くないのにって、星尾さんは言うよ。でもさ、理由はよく分からないけど御小原が俺を嫌ってるのも事実で、それが星尾さんを巻き込んだ原因なのも、事実」 その言葉に、私は口を閉じる。 何も言えない、じゃないか。 よく分からないって……どういうことなんだろう。 「中学の時からなんだ、1回ギター壊されてるし」 意外に激しいな、御小原くん。ギタークラッシャーなのか…… ≪≪prev しおりを挟む back |