22:泣いてもいいよ 6 / 6 涙を溜め込むなんて、どんどん苦しくなっていくだけだ。 吐き出して、すっきりした方がいいに決まってるのに。 「登も馬鹿みてぇに自分のせいだって思ってるからさ。目の前で笑顔で『登のことを好きになったことを後悔なんてしてない』とか言ってやれよ」 「……好きなんて」 「見てれば分かるって言ったろ」 分かりやすい、のだろうか。 私自身自覚したのも最近なんだけれど、なぁ。 「登の前では笑ってやってよ。泣きたい時は俺の所にきていいからさ」 馬鹿みたいに泣いた。 子供みたいに、泣いた。 だけれど、弥生先輩は。 子供みたいな本音も、弱音も、全部受け止めてくれたんだ。 <next story*弱虫騎士と悪役少女> ≪≪prev しおりを挟む back |