03:病弱スノーホワイト 1 / 10 「いいなぁぁ、灰葉くんと仲良くなったとかぁ!」 「ま、真麻、声抑えて……」 私の話を聞いた彼女は恨めしそうに唇を突き出した。 授業も終わり、鞄に教科書を詰めながら話をしていると、真麻が私を教科書で叩く。 「羨ましいぞこのやろう」 「フレンドリーだったし、真麻も仲良くなれると思うよ」 「近付くのも恐れ多いの!偶然って素晴らしい!無欲の勝利だわ」 えええ、そういうもんなの? 私たちは教室を出て下へと向かう。 階段をゆっくりと降りて、玄関で靴を履き替える。 今日は日差しが強い。 真麻はこれからピアノのレッスンがあるらしい。 コンビニでアイスでも買って駅までの道でアイス食べようか、なんて談笑しながら校門をくぐろうとした。 刹那。 前を歩いていた人がふっと糸が切れたように崩れ落ちた。 ≪≪prev しおりを挟む back |