19:これを恋だと呼ばずして、 1 / 12 今日のお弁当は何だろうか。 唐揚げあるかな。 お昼休み、一歩一歩歩を進めていって視聴覚室へと向かっていく。 「みっ、ゆき、ちゃんっ!!」 息を切らした香月くんの声が聞こえて、振り返ると同時に首元にプロレス技が掛けられるように腕を回された。 ぐえっ、と変な声が出そうになるのを抑えて、いっぱいいっぱいに香月くんの腕を掴む。 「ど、どうしたの、香月くん」 「あの、ちょ、」 はぁはぁと言いながら香月くんは左右に視線を向けて、人がいないことを確認して私と視線を合わせる。 まんまるの瞳が細められた。 ≪≪prev しおりを挟む back |