18:メランコリック 5 / 8 「こーめーちゃん? い、イライラしてる?」 「嫌いな人に会った」 「へぇ、こーめーでも嫌いな人いるんだ。聖人みたいに全てを愛せよって感じかと思ってた」 確かに。 嫌いな人いなさそうな、いたとしてもあそこまで表に出さずににこにこしてそうなイメージだった。 魚住先輩が私に箸を渡してから席に座る。 私も椅子を持ってきて魚住先輩から少し離れた、香月くんの隣に座った。 「あぁ、葛原先輩?」 「そう」 弥生先輩の言葉に魚住先輩は肯定する。 葛原。葛原昭彦先輩って言うのか、あの人。 「何、その人極悪非道なの?」 登くんが首を傾けてそんな事を言った。優しい魚住先輩が嫌いなくらいだからそうなの? って感じだ。 そんな悪い人には見えなかったけどなぁ。 「葛原先輩と付き合ったことあるんだよな、お前」 「えっ」 弥生先輩の言葉に驚いたのは私だけだ。そっか、名前だけじゃ性別分からない。 ≪≪prev しおりを挟む back |