18:メランコリック 4 / 8 ねぇ何で仲悪いの。どっちも穏やかそうなのにそんなに嫌悪丸出しなの、同属嫌悪なの? 魚住先輩に引っ張られて段々と購買から離れていく。 「美幸ちゃん! 今度あたし達の演奏も聞いてちょうだいねぇ?」 演奏。この人もバンドやってるのか。 返事をする暇もないくらい早く、引っ張られていく。 「うっ、うっ、魚住先輩!」 「返事なんてしなくていいよ」 「購買に行かせて下さい! お昼が、お昼が……」 「お弁当あるよ? 食べてきな?」 振り返って魚住先輩がいつものように笑う。 どうしてだろう、笑顔が怖く見えるや! 私は逆らえずに引きずられて視聴覚室へと向かった。 ―― ― … 「あっ、美幸ちゃんだー!」 視聴覚室に入るといつものメンバーがいつものように弁当を囲っていた。平和だ穏やかだ。私の隣にいる人を除けば。 それは周りにも伝わったようで、3人が苦い顔をする。 ≪≪prev しおりを挟む back |