16:毒吐少女とお人形 7 / 8 妹だけど、名字違うんだ。 じ、実は親が離婚してて……的な? どうしよう、つっこんじゃいけないところかな!? 「あー、妹って施設の子ってことか」 香月くんが納得したようにそう言った。 ……あ、そういうことか。チェルシーちゃんと同じ。 「そう。詠、こいつら俺のバンドの仲間……って、知ってっか」 「こっちの方は知らない」 そういって詠ちゃんは私を指さす。 それはそうだ。私はバンドメンバーではない。 「美幸はマネージャー、みたいな奴?」 わぁい、疑問系だ。 なんてこった。 弥生先輩の言葉に詠ちゃんはじとりと私を睨んだ。 「お遊びバンドにマネージャーとか、バッカみたい」 淡白的に吐き出された言葉には、棘が含まれていたような気がした。 ≪≪prev しおりを挟む back |