16:毒吐少女とお人形 5 / 8 ……弥生先輩のことだろうか? タイミングを見計らったかのように、先輩が飲み物コーナーからこちらへと歩いてくる。 女の子の手を引き、男の人を睨み付けた。 「俺のに何か用かよ」 俺の。 予想外の言葉に、香月くんが吹き出した。 「手ぇ出すつもりだったってなら容赦しねぇぞクソ野郎」 ナンパしてた男の人は舌打ちをしてコンビニから出ていった。 「はにわちゃん、面白い」 香月くんが弥生先輩へと近付いていく。 弥生先輩はしかめっ面で香月くんを見た。 「あ?」 「俺のって。追い返すにも他の手段あるでしょ」 「本当よ! ちょーキモいんだけど!」 助けられた女の子は引いたような目で弥生先輩を見ていた。その視線に先輩は眉間にシワを寄せる。 た、助けられたのにキモいって。 ≪≪prev しおりを挟む back |