b:アンチフレンド 6 / 7 「あーあー、不良の俺の言葉を聞けないのは分かったわ、じゃあよ、優等生くんの弁明は聞けんじゃねぇの」 ちらり。赤羽は俺を見る。 「何で言わねぇの。オトモダチだから?」 馬鹿にしたように、笑う。 「魚住が手に持っているんだ、魚住のものだろう」 「例えばぁ、それを押し付けた奴らはこの裏に隠れてるとか」 赤羽が笑って先生に告げる。 上から降りてきた赤羽がスマホを弄って先生に差し出した。 「こういう不良がさ」 そこに写っていたのはクラスメートが煙草を吸っている姿だった。俺は横で止めているように写っている。 いつのまに撮っていたのか。 それを見た先生が裏へと怒鳴り込んでいく。 「馬鹿じゃねぇの」 ぽつりと、赤羽が俺を見て怪訝な顔で呟いた。 「お人好しもここまで来たらただの馬鹿だわ」 やれやれ、なんて呆れたように言う。 先生があいつらを引っ張って屋上を出ていこうとする。そんな先生を赤羽が掴んだ。 ≪≪prev しおりを挟む back |