a:アンチコンタクト 8 / 8 関わりたくない理由が迷惑かけたくない、ってんならさ。 迷惑かけられても笑ってバーカって済ませられるくらいに俺が強くなるからさ。 「だからさ、友達になるべ」 「なんでそこまで言ってくれるの」 俺、思い出したんだよ。 施設でも1人でいようとする奴って、理由はまぁ色々あるんだけど。 結局みんなひとりぽっちは寂しいって泣くよ。 みんな誰も彼もひとりぽっちはやだって思ってるんだよ。 だからきっと、きっとさ、雪代もそうで。 なら俺が、手伸ばしてやらなきゃって。ありがた迷惑かもしれないけど、思っちゃったんだよ。だって他の奴らは餓鬼みたいにちょっとしたことで仲間外れにしたりするから手なんて伸ばさないんだろ。 「お前と友達になったら楽しそうだって、思ったんだよ」 笑って手を伸ばすと、布団の中から出てきた雪代も笑って控え目に俺の手を掴んだ。 [アンチコンタクト:fin] ≪≪prev しおりを挟む back |