a:アンチコンタクト 4 / 8 友達も普通にいて、勉強も出来ないわけじゃなくて。運動も出来る。 それでも物足りないのは、きっと。足りないものがあるからだ。 そうだ、俺に足りないもの。 「ばんどのなかま」。 「音楽好きならよ、俺とバンド組もうぜ!」 「え!? や、俺、音楽出来ないし……」 「すぐ出来るって!」 「何で俺なの?」 何で? 何でって。 「お前良い奴そーだから」 聞いてた曲も趣味合いそうだったし。 雪代は目をまた逸らして俯いた。変なの。 「む、無理だよ、楽器買うお金もないもん」 「俺に任せとけ!」 京也はギターもいっぱい持ってたはずだ。あいつすぐバイトで稼いだ金使って自分に合う楽器に会えるまで変えるから。 頼めば一個くらいおさがりをくれそう。 「お前ギターやれ! 俺ベースやっから!」 なっ! とか言って引っ張っていこうとか思った。 ≪≪prev しおりを挟む back |