14:チルドレンピアニズム 9 / 10 再び開けた時には弥生先輩は背を向けて歩き始めていた。 さす、とおでこをさすると隣にいた魚住先輩がくすくすと笑った。 「俺たちは先に戻ってようね」 「は、はい……」 「可愛いって言われただけでそんな赤くなっちゃうの、可愛いなぁ」 からかうように、そう言って魚住先輩は歩き出す。 「かっ、からかわないで下さいよ!」 「からかってないよ、本音」 前を歩いている魚住先輩の肩が小さく揺れる。笑ってるじゃないか! 「あぁ、星尾ちゃん、来週から視聴覚室開いてないからね」 「え、何でですか」 「何でって……テスト期間になってるからだよ。だから25日にしたんだろうな」 「えっ」 「え?」 ≪≪prev しおりを挟む back |