13:天然紳士はバイト中 7 / 9


「……チョコレートパフェのお客様ー!」
「わ、私です」

 最初からそう対応していたかのようににっこり営業スマイルを作った香月くん。

「ごゆっくりー」
「ごめんな、ゆっくりしてって」

 魚住先輩が香月くんの代わりに私たちに謝って戻っていく。
 謝るようなことしてないのに。


 登くんが嬉しそうにドリアに手を伸ばしたので、私はチョコレートパフェに口を付けた。
 うん、甘くて美味しい。

 ドリアより先に食べたら変かな。
 いやでも、乗ってるアイスとか溶けちゃうし。むぐぐ、悩みどころだ。

 じ、と登くんが私に視線を向けた。


「星尾さん、パフェ美味し?」
「うん! すごい美味しい!」

 笑顔でそう返すと、登くんも嬉しそうな笑顔を浮かべる。


「いいなぁ、俺にもわけて?」




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