13:天然紳士はバイト中 6 / 9 「はぁいおまちどー!」 「香月、おしゃれな喫茶店の雰囲気壊してる」 呆れたような登くんの物言いにも引かず、香月くんはにこにこと食べ物を差し出してくる。 「どうせ大盛りははにわちゃんでしょー、アップルパイはのんちゃんでー、ドリアが美幸ちゃん?」 「あ、うん」 「んだこの店員馴れ馴れしいわー」 馬鹿にしたような弥生先輩の声。香月くんはぷくりと頬を膨らませて「他人扱い!」と文句を言った。 「香月ぃ、チーフが怖い目で見てるから最低限の礼儀は、な?」 魚住先輩がひょこりと現れて苦く笑いながら耳打ちをする。 魚住先輩が示した所に、ぎらりと鬼のような顔をしたそのチーフであろう人が香月くんを睨みつけていた。 ≪≪prev しおりを挟む back |