12:パーカーヒーロー 3 / 7

「じゃ、じゃあ私も名前で呼んで下さいね」
「あ? ……お前下の名前何だっけか?」


 ナントイウコトデショウ。
 そんなのって酷い。


 私の顔を見て先輩はまた、笑う。



「冗談だよ、美幸」


 さらりと私の名前を呼んだ先輩は私の腕を引いてみせる。
 どうしたんだろう。びっくりした。


 弥生先輩が来たことで端っこじゃなくなったはずの私の場所は、弥生先輩によって端っこへと戻された。

 人が多いからか、私の横に手をついてはぁ、と息を吐き出した。


「……どうしたん、ですか?」


 なんだ、何なんだこれは。
 壁ドン、とかいうやつになってるじゃないか。
 慣れてないもん、ドキドキするに決まってる。


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