11:手を繋いで 2 / 8

 登くんは揺さぶられて起こされたのが不満だったのか不機嫌そうに上半身を起こした。

 視線をお化けにやる。どうしよう私にしか見えなかったらこれ。


「……あぁー、篠原先生おかえりなさぁい」


 ふわふわと眠たげに眼を擦って登くんはそう言った。

 せんせい……先生!?


「保健室の先生!?」
「うん……」
「ふふ……お化け」

「え、あ、ごめんなさいっ!」


 私の言葉に先生は慣れていると不気味に笑った。いや慣れちゃ駄目でしょう。


「もう生徒たちは下校してますよ」


 げ、こう?


「授業は……」
「全て終わりましたが」


 何だと?


「登くん、起こしてくれるって」
「ごめぇん、寝ちゃった」


 ふにゃりと笑って謝罪のように手を合わせた……許し、ます。
 熟睡した私も悪いし。


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