11:手を繋いで 1 / 8


 聞き覚えのない声が頭の上に降ってくる。落ち着いて、どこか冷めたような声。

 眠っていた意識を取り戻して、ゆっくりと目を開いた。

「……おや、起きましたか?」


 長髪白髪の男の人が私の顔を覗き込んでいてにったり笑う。おばけのようなその人に一気に意識が覚醒した。

 悲鳴を上げそうになるのをこらえて横に視線をずらすと何故か隣ですやすや寝ていた登くんにまたまた別の意味で悲鳴を上げそうになる。

 なな、何で隣で寝ているんだ、ベッドはもう1つあるじゃないか。

 ……それどころじゃない。
 助けて助けて登くん。


「お化けに祟られるよぉ助けて登くん!!起きて、起きてよ!!」

 白髪のお化けに祟られて末裔まで呪われるんだ私の一族は!なんてこった!
 お化けは襲ってくる様子もなくこちらを見ている。夜中に出てきてよそもそも!


「……なにぃ」



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