「じゃじゃん! 弘信くんでーす!」


 わかりきっているのに、驚いた? といちるは楽しそうにそわそわする。

 ほら、中里も困った顔してるからやめてあげなさい。


 ゆっくりと教室に入ってきた中里はいちるに引っ張られて席に座る。



「中里、自分の勉強大丈夫なの?」

「僕、も、人に教えるのも勉強になるって思ってるし……あの、津田川さんの頼みは、」


 あぁ、断れなかったのか。
 ピアス見つけたのいちるだからねー。頭が上がらなくなってしまったようだ。


 彼の耳はまだ治療中なようで、ピアスは光っていない。


 陽那といちるは早速と言わんばかりにテキストを広げる。
 うわぁ、真面目か。


「あー、テスト早く終わらないかなぁ」



 うなだれるようにテキストを広げる。

「あの、でも、こういうの、楽しい」



 ぽつりと中里が呟いた。



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