靴を脱いで、靴下も脱いで。
スカートとYシャツ、できるだけ軽い状態になってプールへと足を沈めた。
なんとなく、いやな感触が襲ってくる。
「……磯村、さん?」
「1人より2人の方が早く見つかるかもしれないじゃん」
手伝うよ、と目線を濁った水に向けたまま言い放った。
手伝うよも何も、私のせいと言ってもいいし、当たり前のことなのかもしれないけど。
だけど中里は眉毛を下げて笑う。
「ありがとう」と。
「香恋っ」
こちらに走ってきたのはいちると、陽那。
何か箱のようなものを持っていて、プールサイドに来た。
「中里ぉ、耳手当てした方がいいから一旦上がってきたら?」
「……でも」
「いいから、早く!」
いちるが怒るような口調で話しながら中里を見た。
プールから出る中里と代わるように陽那がプールに飛び込んできた。
てっきり嫌がるかと思った。
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