「磯村、さ……」
中里が、弱々しい声で呟く。
鈴木さんが、笑う。
「だっさ、男が女に守られて」
……別にいいだろう、そんなこと。
ふと、
綺麗に色が抜けた金髪が教室の窓に映った。
そいつは、廊下から教室へと入ってきた。
「……何やってんだぁ?楽しそうだな?」
豊平。
最悪だ。
息が、重たくなりそうだ。
「……もう充分付き合ったろ。もう帰ろう、香恋ちゃん」
「……そう、だよ」
陽那といちるが、後ろからそう言い放った。
そうだ、もう充分。
くだらないことに付き合ったからもう帰ろう。
この場所から、早く去りたい。
「俺は今来たばっかだろ。俺にも付き合ってくれよ」
馬鹿にしたように笑う豊平。
鈴木さんと桜庭に近付いて、2人を思い切り蹴り飛ばした。
は?そっち?
2人は吹っ飛んで机が大きな音をたてる。
「……な!?」
「何すんの豊平っ!」
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