「じゃあ俺なんにしよっかなぁ、ダブルチョコは外せんなー」
アイスを思い浮かべているのか、幸せそうな顔をしている。
……平和、だなぁ。
私はアイス何にしよう。
道具を片付けて、トイレから出る。
置いておいた鞄を手に持って、玄関へと向かう。
階段の横を通り過ぎた直後。
何かが、大きな音を立てて転がり落ちてきた。
それは痛そうに呻き声をあげた。
見覚えのある人間。
同じ制服を身に纏ったクラスメートだ。
なんで階段の上から落ちてきたんだ。
用事があって押し付けてきたわけじゃなかったのか。
「中里!?大丈夫!?」
中里は首を横に振る。
ただ、必死に。
「大丈夫、だから……帰って」
……は?
掃除しろの次は帰ってなの?
帰れなかったのあんたのせいじゃん。
中里はゆっくりと起き上がった。
「帰って!3人とも早く!今すぐ!!」
声を荒らげるそいつ。
……あー、何考えてるのかわからない。
何がしたいんだ。
「なーに必死になってんの?中里くーん」
階段の上から、クラスメートの声がする。
笑いながら現れたのは、鈴木さんと桜庭。
順位は6、7だよね。
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