いちるの苦笑するような言葉に私たちは歩き出した。
私たちのクラスは、1階のトイレ掃除だったよね。
1階のトイレには、誰もいなかった。
……5人で1班だったと思うけど。
1番弱い中里に全部押しつけたのか。
そして中里は私たちに押しつけたのか。
適当に掃除をする。
男女どちらのトイレも3人で。
普通それぞれでやるんだろうけど、人数が少なすぎるからね。
「なんつーかさー、その内掃除全部俺らに押しつけられそう」
「下位ってこと?」
「そうそう」
うわー、ありえる。
やだわー、鬱だわー。
スポンジで流しを洗いながらため息をはいた。
毎日帰る時間遅いじゃんそれ。
長柄のブラシを持ったまま、やる気のなさそうに陽那があくびをした。
「終わったー!」
いちるが嬉しそうに腕を上げた。
手についていた水が飛んでくるよ。
「まったく、面倒くさい」
「まぁまぁ、次こそアイス食べに行こうよー」
掃除道具を片付けながらいちるが笑う。
アイスがよっぽど食べたいらしい。
「今トリプルやってるからなぁ、私ストロベリーとバニラと抹茶!」
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