五十嵐はリズムを口で刻みながら教室から出て行った。
私は溜め息をついて、自分の教室に戻る。
「大丈夫！？」
教室に入るなりいちるが声を上げる。
「うん」
嫌みを言われただけじゃないかな。
そうだよね。
あれ忠告というか嫌みだよね。
あーやだやだ。
五十嵐は悪い奴ではない。
良い奴でもないけれど。
掃除は終わっていて、申し訳ない気持ちになった。
「ごめんね、帰ろうか」
明日からもあんな毎日が繰り返されるのかと思うと憂鬱な気分になった。
＋next story→「勇気」
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