何でだろう。
何で私はこんなところにいるんだろう。
……何も出来ないまま、座っているの?
本当に13回。
煙草を押し付けて、豊平は短くなったそれを地面に落として踏み潰した。
「くっ……ははは、苦しいか?逆らうからこんなことになるんだよ、バァカ」
楽しそうに、笑うそいつは。
「優しい飯田くんは泣き虫のために犠牲になりましたぁ!いやぁ、拍手もんだなぁ!
素晴らしいねぇ、友情ってのはさぁ……!」
悪魔のようだった。
「みぃんな友達だろ!?だからさぁ……俺の遊びに付き合ってくれよ、ずぅっとな」
午後の授業。
飯田は保健室。
保険医はなんて言うだろうか。
田中の手が回ってて、何も言わない。そんな気がする。
雰囲気になれたのか、授業中に寝ている人がいた。
もちろん下位の方の人間だけど。
授業が終わり、帰りのホームルームも終わる。
田中がつまらなさそうに教室を出て行った。
掃除当番は基本的に下位。
上位5人には回ってこない。
「俺ら今日教室掃除だっけ」
陽那があくびをしながら私に声をかけた。
「うん、そうだね」
今日の教室掃除は古屋さん、根岸さん、高橋、陽那、私の5人。
下位5人。
それにいちるが手伝ってくれるらしい。
「磯村」
あの声に、名前を呼ばれる。
「……豊平」
私、確実に目つけられてんじゃん。
明日の標的になったりするんじゃん。
むしろ今何かされそうだし。
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