みんな自分の席に座ったまま、ただそれを見ていることしかできなかった。
……何人かは我関せずと自分の席で各々のことをやっているみたいだけど。
「意味、わかんね」
飯田の言葉を豊平は無視する。
豊平は中里のネクタイを離した。
中里がどてりと床に転がった。
「じゃあ今日はてめぇでいいか」
「……は?」
「逆らっちゃったもんな?」
何かが、起こる。
「んー、じゃあ、両脇の……ボブと堀田、お前らは飯田押さえとけ」
「エッ!?」
「う、うち……?」
飯田の左右の席のボブと堀田さんが突然名前を呼ばれて驚いた。
豊平はポケットからタバコを取り出して、口にくわえ、火をつけた。
吸うわけではないようで、手に持っていやらしく笑う。
「お前成績何番だっけ」
ボブと堀田さんに押さえつけられた飯田が豊平を睨む。
「あーっと……13か」
席を数えて、そういった豊平。
「じゃあ13回でいいかぁ
根性焼き」
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