「……まだノリが悪い。まぁいいでしょう」
ノリが良くなってたまるか。
制服を受け取った古屋さんは自分の席、教室の隅っこに行って着替えを始めた。
──あまりにも、意味のない行為。
罰ゲームは、ありえないくらい意味を持たなかった。
ただ、脱がせるだけ。
誰も得をしない。
(男子の一部は喜んだのかもしれないけれど)
古屋さんの羞恥心を痛めつけるだけの行為だった。
それは、意味していたのかもしれない。
「戸惑う必要なんてないんですよ」
制限なんていらない。
意味なんて必要ない。
下位のことを考えなくて良い。
「やりたいことを、やりたいようにやればいいのです」
自分の欲望のままに、やればいい。
限度のない、残酷な階級制度。
本当の本当に
「死ななければ良い」
何をしても良い。
苦しくても、辛くても。
恥ずかしくても、吐き出しても。
誰も助けてはくれないんだ。
誰かが楽しそうに、笑った気がした。
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