根岸さんと共に諦めながら教室へ向かった。
到着。
8時25分。
教室のドアを開けると視線が一斉にこちらに向く。
「おっ、おはようございます」
「はよーございまーす」
「何か言うことは?」
「……すみませんでした」
くっそ、田中め。
「根岸さん。君はちょっと遅刻しすぎだね」
「はぁいすんませーん」
「……2人共答案を取りにくるように」
うわ、もう返却し終わってるの?
みんなの手には3枚の紙が渡っていた。
田中の元へと歩いていき、テストを返してもらう。
……丁寧に、クラス順位まで記載されている。
「今回は前回のテストとそう間はなかったからか、順位の変動はありませんでした」
逆にすごいねそれ。
1人も変わってないの、順位。
田中の言葉を聞き流しながら自分の席に戻る。
「香恋ちゃん何やってん、遅刻て」
「ははは、昨日田中の話聞いてなかった」
席に座りながら陽那の話を聞く。
「まぁ、またよろしくお隣さん」
「そうそう変わらないと思うんだけど」
上位は変動しそうだけど、下位はそんなに変わりそうなイメージはない。
ということは……
私は同じ最後列の窓側を見る。
そこには、相変わらず暗い表情を浮かべている
……古屋さん。
「……というわけで、罰ゲームは古屋さんに決定ですね」
優しげな笑顔が余計に残酷さを浮きだたせる。
「じゃあ詳しい話は今日のホームルームで。今日も授業頑張ってくださいね」
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