「吐き気がするし、嫌気もさす」
こんな悪夢が
偶然だなんて滑稽で。
運命だなんて奇っ怪で。
夢ならば早く覚めてしまえばいいと、何度も思った。
それでも次の日は、やってくるわけで。
「だぁめだ、帰ろう」
考えるうちにめちゃくちゃになって収拾がつかなくなる。
私の悪い癖だ。
帰宅すれば待っている、普通の日常。
学校はどうだった?だなんて親に言われても普通だよ、と答えることしかできない。
もし親の介入があったらどうなるのだろうか?……どうにも、ならないのだろうか。
……あっという間に1日が終わる。
朝になれば目を覚まして重たい体を起こして、日課である軽い散歩をして。
ご飯を食べて制服に着替えて家を出る。
学校に近付くにつれて重たくなっているように感じる体を無理矢理動かして。
下駄箱から靴を取り出して投げるように中履きを地面へ置く。
「あらぁ?磯村ぁ」
「あれ……根岸、さん」
根岸さんは面倒くさそうな顔をして私を見ていた。
根岸小夏【ねぎしこなつ】、陽那を挟んで隣。つまり、私の2つ後の成績だ。
一見ギャルの容姿の彼女に話しかけられたのは初めてで、少しだけ驚いた。
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