寝ている人がいないからか、必死な姿勢を見せてくれるからか。
嬉しそうな教師はいつも以上にテストに関するポイントを指摘していく。
ふぅん、そこはテストに出るわけね。
チャイムが鳴った後は教師が軽い足取りで出て行って、しばらくすると別の教師が入ってくる。
嬉しいはずの昼休みも憂鬱に感じる。
「っていうか帰りたい」
「まぁーまだましな方だけどね」
「何が」
まぁ、下位な割にあまり被害は来ないけれど。
陽那がサンドウィッチを口に含んで私を見た。
「だって、やってることまだ何もレベル低いじゃんか」
……レベルが、低い。
クラスの連中がやってることを思い起こす。
カツアゲ。
パシリ。
そういう類が多いだろうか。
レベルが低いと言っていいのかどうかわからないけど。
「でっ、でも、お金取られてる人とかいるし……」
いちるが発した言葉を止めるように指を指す。
「それだけだ」
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