お楽しみではないのだけれど。
秘密、ね。
ホームルームはあっさりと終わり、田中はさっさと教室から出て行った。
罰ゲームだなんてどうせろくでもないことだろう。
この教室の何がまずいって、担任が先導して行っちゃってることですよね。
1時間目の現代文を聞きながら、教師にばれないようにクラスを見渡した。
……普通のクラスならば、1年の時のクラスならば。
ここに、何人かは寝ているような生徒がいたものだ。
それを起こす教師、怒る教師、無視する教師がいて。
それで授業が中断もしたりしてさ。
それが、どうだ。
寝ている人間なんていない。
やる気のなさ気な私も含む最下列を除き、誰もが必死な姿勢。
最下列でも寝ている人はいなかった。
まぁ、教師から見ればこれが当たり前で、当然というやつで、喜ばしいことだ。
普通、「当たり前のこと」は案外実行は難しいものなんだよね。
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