古屋さんはそういって下を見続けていた。

……はぁ。



やはりこの教室はおかしい。


数日でそれが当たり前になってしまって、狂気じみているとも思う。



下位が孤立していくし、自らも孤立しようとするなんて。





「おはよ陽那」


「はよー香恋ちゃんいい子だねー」


教室に入ってからの行動を見ていた陽那が私をみてそう笑った。



「私の正義感がね」

笑ってそう返す。
私の中の正義感はきっと不平等で贔屓的で歪んでいるよ、なんとなく。

いい子ちゃんじゃないし。




チャイムと同時に田中が貼り付けたような笑顔で教室に入ってきた。



「テストまで1週間を切りましたね」



はいはい、そうですね。


そこそこ勉強はしているが、周りをみると意味がないように思える。

いくら頑張ろうと、無意味なんだって。





教卓の前に居座る悪魔は口をひらく。




「あぁ、そういえば罰ゲームは今回からですね。」


罰ゲーム。

田中が口にした言葉に反応する。



教室は静かなまま。
でも何人かの意識は田中に向いていた。



「内容はその場のお楽しみ、で」



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